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1月17日の夕方。日本を揺るがすニュースが飛び込んだ。

 ライブドア粉飾決算疑惑で東京地検が一斉捜査。

 

  なんだ?
 粉飾決算?
 

 

 僕は正直たいして驚かなかった。さして市場にも影響はでない
だろう。だって最近の日経平均株価は強い。企業の業績は好調で
3末の決算はここ10年で最高を記録するはずだ。同様またはそ
れ以上の粉飾をしていそうなイメージがある新興銘柄は影響を受
けるかも知れないけれど・・・これが僕の感想だった。

 ところが。ご存知の通り翌18日朝9時。市場が開くとほぼ同
時に大幅な下げを記録した。その後持ち直すかと思われたが、マ
ネックス証券がライブドア株の担保価値を認めないと公表した事
をきっかけに全面安に加速し翌19日の2日間で国家予算に匹敵
する30兆円ものお金がすっ飛んだ。

 ここまで被害が拡大するとは・・・

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 連日報道される、このニュースを見ていてキャスターや専門家
の発言に呆れた。

 なんだ散々ホリエモンとチヤホヤしておきながら、一斉に批判
批判非難非難の全否定。

「こうなると思っていた」「マネーゲームは駄目だ」「実態がな
い経営」「法律ギリギリの解釈の限界」

 なんだこの手の平の返し方は人間不信になりそうだ。
しかもこの件に絡めてデイトレーダーまで批判している。

「短期の取引より中長期で投資を」「投機的だ」「株取引はパチ
ンコと一緒」「汗を流せ」という。

 ほんの数年前までアメリカに比べ個人投資家が少なすぎると嘆
いていたのは何だったんだ?
 
 株取引を推奨してきたのは政府だしそれを煽ったのはマスコミ
だったはずだ。ホリエモンを面白おかしく紹介したのもマスコミ
だ。

 一夜にして論調が変わった。

 僕は間違ってもデイトレを擁護するわけではないけれど、デイ
トレは法律スレスレでも脱法行為でもない。フジ買収時の時間外
取引とイメージをリンクするのはどうかと思う。

 善い悪いの判断を押し付けるのは危険だ。安易だしステレオタ
イプだし綺麗事すぎる。

 意見が薄っぺらすぎる。

 ニートの青年が30億稼いで話題になったが、デイトレで稼ぐ
奴は認められないという気持ちは理解できる。

 しかしだいたい投資はよくて投機はいけないって誰が決めたの
だ。投機は法律違反ではない。

 確かに生産が伴わない投機ばかりが蔓延すれば誰が働くんだと
いう議論はある。

 確かにその通りだ。

 突き進めば資本主義経済はどこかで破綻するかも知れない。
 所詮無理があるのだ。

 本来、物々交換をよりスムーズにするというお金の本質的役割
からはとうに一脱しマネーゲームのための符号になっている。

 これはもう何十年も前からだ。

 ドルは世界を駆け回り、バーツを駆逐し韓国をIMFの管理下
に突き落とした。そのたびに世界経済は悲観した。

 何度繰り返せばいいのだろう。エンロン事件はやっぱり遠い国
で起こった事件だったのだろう教訓が生かされていない。

 一番腹が立ったのは、あるテレビでは専門家が個人投資家は儲
かればなんでもする。節度がない。プロには節度がある。個人投
資家が増えればもっと規制を増やさないといけないなんて発言を
していた。

 ちょっと待ったである。

 プロのトレーダーには良心があるとでもいいたいのだろうか?
 馬鹿な話だ。あるはずがない。彼らはもっと獰猛で肉食だ。

 よくもこんな発言ができるもんだ。

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 たしかに日本経済は冷や水を浴びせられた。

 しかし3日目。リバウンド狙いで株価は反発した。
 そして金曜日利益を確定し売られ株価は下げた。

 おそらく1月いっぱいは、こんな調子かも知れない。

 たった2日で粉飾の手口がずいぶん解明されてきた。買収のや
り取りで捻出した利益を売上に転換していたなんて思いもしなか
ったが監査法人は何を監査していたんだろう。

 またしても中央青山監査法人だ。

 一般投資家は何を信じればいいのだ。だから信頼を壊したライ
ブドアの責任は重たい。市場関係者にすれば堪ったもんではない
だろう。(西部鉄道は即刻上場廃止になった)

 たしかにこれでは博打そのものだ。

 つまり露呈した事はどこまでいっても博打という事だ。
信頼してたなんていうのが甘っちょろい。

 博打なんだから自己責任と言ったほうがわかりやすい。

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 奇しくも耐震強度偽装問題をめぐって国会で証人喚問が行われ
ていた。どうして今なんだろう何も関連はないのだろうか?

 ホリエモン一色になったのは気のせいだろうか?

 副社長は本当に自殺なのだろうか?

 誰かが裏で糸を引いていたりするのだろうか?

 牛肉はまた輸入されなくなった。
 アメリカはどうするんだろう。
 靖国問題とどっちが重要なんだろう。

 世界のお金はどこに向うんだろう。
 個人投資熱は冷めるのだろうか?

 これはきっかけに過ぎないのかも知れない。
 本当の議論が今必要なのだと思うが・・・ミノさん。

 
  2006年01月24日   岡崎 太郎