高校時代僕は、フォークソング部の部員のかたわら写真部の部 長をしていた。部長のくせに僕は、一眼レフはおろかカメラなる ものを所有していなかった。 |
部長になった経緯は、オタクを絵に描いたような先輩が卒業す
ると部員が僕1人になったので仕方なくなっただけだ。
こう書くと無責任な感じであるが「カメラ」という機械に、な
んだろう男のギアという質感に惹かれたのか興味はあった。
今でも変わらないけれど、まずはカタチから入りたがるのはこ
の頃から変わっていない。ただ当時はバンド活動の方が忙しくて
カメラにまわす予算がなかった。
写真部の活動といえば、年に一回の文化祭で大量に販売するア
イドルのブロマイド作り。
ひどい話だが、本物のブロマイドを接写でフィルム化し、学校
の白黒用機材でせっせと印画紙にコピーしていた。
人気は岡田有紀子と「おにゃんこ」だった。
後はバンド練習の合間に写真部の奥にある暗室を締め切り数人
で煙草を吸っていた。
結局学校時代は現像は出来てもカメラはよくわからなかった。
自分のカメラを持ったのは、19歳の頃、深夜バンド練習を終
え先輩のファミリアでスタジオから帰る途中、飲酒のクラウンが
追突したおかげで手にしたあぶく銭の保険金で買ったミノルタ
「α5700i」だった。
このミノルタでいろんな場所で撮影しまくり一気にカメラにの
めり込んだ。カメラ入門なる本を数冊買い込み。フィルムもネガ
からポジになった。
レンズを通して見る風景に、裸眼では気づかない構図を見つけ
シャッターを回した。そして僕は裸眼とファインダーその2つの
視点を持つようになった。
あれから17年。itmで写真講座をプロのカメラマンを迎え
開催できるのは嬉しい。