509-見学会

 

 3年ぶり2度目の見学会で熊本の再春館製薬所さんにお邪魔し
た。同社の看板商品ドモホルンリンクルのテレビCMはなかなか
芯が通っていて印象が強いから記憶に残る。なかなか同じタイプ
の広告は他にない。

 

 主張がある広告内容。

 その主張が本物の場合そのメッセージは強い光を放つ。

 これが僕の感想だ。

 前回の見学会でも思ったのだが、風土が素晴らしい。テクニッ
クは真似できても風土は真似できない。

 経営者の基本理念に沿って会社のあらゆる活動に一本筋が通っ
ている。商品パッケージのあらゆるパーツにまでに意思が練りこ
まれている。

 何ひとつ安易な判断は無いといった徹底さだ。

 なかなか出来ることではない。

 たとえばメイク関連の商材を発売するかしないか。

 過去にお取引のあった顧客は数百万人。新発売すれば売れるこ
とは誰にも容易に想像できる。売上げ軽く100億円を超えるだ
ろう。

 しかし再春館製薬所はメイク関連の販売を頑なに是としない。

 AorBどちらか一方を選択しなければいけない時に大事なの
は会社の理念だ。

 利益の前にある理念。

 安易な拡大戦略の愚かさを再認識した。時代の流れがこれほど
早くあっと言う間に新商品が輝きを失う現代において、発売から
約30年常に最適な素材と成分や配合を磨きながらも頑固に価格
改定はせず販売され続けるロングセラー商品ドモホルンリンクル
の秘密を見た。

 1シリーズだからこそ徹底して努力を怠らずに磨き続ける精神
いちいち立ち返りながら「そもそも」を大事にする精神。これが
確立出来ている組織は凛として美しい。

 背筋が伸びる思いであった。

 
  2006年02月06日   岡崎 太郎