532-ちょい贅

 

 高価格高級な商材やサービスを気軽に購入するお金持ちの層を
狙った富裕層マーケットが熱い。

 

 小耳に挟む情報によると、どうも金銭感覚のズレた話も多いが
なんとも王侯貴族のような散財ぶりに溜息がもれる。

 

 サントリー「モルツ」のプレミアム版である
その名も「ザ・プレミアムモルツ」が40円高くてプレミアムを
名乗るセンスとは乖離が激しい。

 ところが、この「ちょっと高い価格」にマーケットが反応して
いるそうだ。このプレミアムビールを飲んだ40歳代が去年8月
に比べて7%増えたそうだ。

 こういうちょっとした変化から全体の消費動向を測ることは難
しいかも知れないが、たしかにコンビニのオニギリにしても家具
にしても紳士服にしても「ちょい贅」は氾濫している。

 問題は、通常製品やサービスとの価格差だ。

 ビールは40円。では車は?

 トヨタ自動車が鳴り物入りで投入した「レクサス」は「ちょい
贅」ではなくてリアルな贅沢で苦戦しているが。日産の「ティー
ダ」は「ちょい贅」で好調だ。

 二極化に下流社会そしてバブルの再来のような株式市況。
団塊の世代の大量放出が生む、新たなシニア層に株長者。若年層
主導のマーケティング戦略が岐路にあるのではなかろうか。

「ちょい贅」と「贅沢」の間にある品質と価格。ちょうど2極の
高いゾーンを分割して考えてみるといいだろう。

 いい機会だからぜひ自社の商材やサービスを見直してみること
をお奨めする。

 まずはちょっとプレミアムな「ネタ」を考えることだ。つまり
商品企画先行になる。そして「限定発売」という切り口でまずは
行動してみてはどうだろうか。

 
  2006年03月30日   岡崎 太郎