534-岩海苔ラーメン

 あまり最近は脂っこいモノには惹かれないのだけど、なぜか無
生にトンコツラーメンが食べたくなって近所のラーメン屋に足を
伸ばした。


 

 福一らーめん筑紫通り店。

 ここの岩海苔ラーメンは絶品である。お椀いっぱい覆うように
正方形の韓国海苔が贅沢に一枚のっていて、最後の一滴まで飲み
干せる豚骨スープと食べ放題の高菜の油炒めが絡まり至福の味を
生み出している。

 約一年ぶりに食べた。

 おいしい。おもわず僕は唸ってしまった。

 もちろん基本がしっかりしていることが条件だが「岩海苔一枚
のせ」というアイデアが素晴らしい。このように奇をてらい過ぎ
ずに少しのアイデアで変化を打ち出す。

 メニューというのはこうでなくちゃいけない。

 食べ物は自動車や電気製品と違って設計や前準備が複雑ではな
いから、気軽に変化をつけやすい。

 月かわりメニューという考え方がある。

 ファミレス大手のロイヤルホストも今年は毎月新メニューを導
入している。そういえばお世話になってる和食屋は毎日メニュー
がかわる。しかもこの店は今日のコース料理ひとつしかメニュー
が無い。なのでメニューを選ぶという手間はない。飲み物は高級
ワインで飲み放題のようにグラスが空くと勝手に注がれる。
(価格は時価なので帰る時にしか値段がわからない)

 食べるときは金のことは考えるなという事なのだろうか。店主
との信頼関係がなければ恐ろしい店である(笑)
(この和食屋は、漫画「取締役・島耕作」にも登場する老舗なの
だ!なぜって著者の弘兼氏が常連だからです)

 美味いはもちろん。ちょっとした味付けや飾付けのアイデアも
楽しみたい。ただ空腹と栄養を満たす以上に、食事を楽しむこと
の素晴らしさがあると思う。

 これはバングラデシュから帰ってきて思うことのひとつだ。


 

  2006年04月03日   岡崎 太郎