053-特別編:橘川さんのセミナートークを紹介

 

こんにちは、配信スタッフの井手です。
今週は岡崎がいつもよりスケジュールが多忙のため、メルマガの
配信が出来ず誠に申し訳ありません。 

 

その代わりといっては何ですが、
岡崎が主催しているセミナーに、先日東京から橘川幸夫さん(き
つかわ・ゆきお)を招き、「インターネットの本質」について講
演して頂きました。

今回は、講演のほんの一部の一部ですが、ご紹介します。

 

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インターネットの初期のビジネスモデルが、
なぜみんな崩壊したのかというと

それは、近代ビジネスのつなげるということをそっくりそのまま
インターネットに置き換えようとしたからです。

電子市場にしても、教育にしても 今やっている繋げることの
利権を、インターネット上に置き換えしようとした。
つまり、利権をデジタル化することが新しいビジネスだと。
しかし、デジタル化するのとネットワーク化するのはちがう。

ネットワーク化においては、つながていることが前提なのです。

以前では、つなげることが目的でした。
だから、A地点とB地点をつなげることをネットでおこなって
いる会社は、かんばればかんばるほど、自分達がいらなくなって
しまう。直接つながってしまえば、必要ないんだから。

つなげることは意味がない。
もうすでにつながっているのだから。

僕が「インターネットが儲からない」と言ったのは、つなげる
ことを、そのままインターネットにもってくることがビジネス
になると言っていたので、それでは儲からないんだよと言いた
かったのです。

「作る人」と「使う人」の間に立っている旧来型ビジネスは、
つながりっぱなしのインターネットの世界では、代理人のバリ
エーションという形でしか、生き残っていけないのです。
これがいわゆる「中抜け」ということです。

こんど出版する本では、この「中抜け」というのに対して、
(誰も否定しなかったので、自分で「中抜け」の否定しちゃう」

なんと「中入れ」ということを書きます。
どういうことか。

旅行に例えて話をしましょう。
Aは、ホテルや航空会社があたり、Bはユーザーで、その中間に
は旅行代理店が存在します。ユーザーが旅行代理店に行く時は、
ある程度 予算や目的地を決めて旅行代理店にいきます。つまり
相談ではなくて、指示を受けにいくわけです。

だから、僕が考えているのは、旅行代理店とユーザーの間に、ユ
ーザー側を向いた、旅行の相談を受けるコミュニティーをつくろ
うと思っています。そこで、旅行に関する相談やら意見交換して
オフ会という形で旅行する。

このコミュニティでビジネスをしていこうと考えています。
今までのA側の代理店というのは、機能しか残らなくて、B側の
つまりユーザーの代理店が必要になったくる。インターネットで
つながったことによって情報が自由に手に入るようになったが、
溢れるほどの情報の中から、B側に立って最適な選択する代理店が
必要なのです。B側が欲しいモノ・必要なモノを探してくるのが
代理店の役目です。

これが、「中入れ」という考えです。
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いかがでしたしょうか?
橘川さんは、読者が参加して作る投稿雑誌を数々創刊し、参加型
メディアとよばれている業界一筋に30年。
現在は、デジタル・メディア研究所(デメケン)の代表として、
デジタル・メディアの領域におこる様々なイベントを行なって
います。

デメ研のホームページ
http://www.demeken.co.jp/

橘川さんがセミナーで話した内容のほんの一部を
itmホームページで紹介しています。
http://www.it1616.com/

また、もっと知りたいという方は、橘川さんの最新著書に詳しく
執筆されています。
「インターネットは儲からない/日経BP出版」
http://www.it1616.com/event1/event402.html#kitubook
(各界の著名人が大絶賛しているコメントをご覧下さい)

 

  2002年03月15日   岡崎 太郎