562-イノベーター

エレベーターでは無い。イノベーターである。

 電話交換機の発明により、それまで交換手が一本一本取り次い
でいた回線が電話番号によって自動でつながるようになった。


 

 これはまさに革新的な発明であり。現在でもこの技術が使われ
ている。

 まさに自動交換機のさきがけとなった「ステップ・バイ・ステ
ップ方式」と呼ばれる仕組みは、1892年アーモン・B・ストロー
ジャーというアメリカ人が発明特許を取得し、その名前から「ス
トロージャー方式」とも呼ばれている。

 さて発明したストロージャーさん、実は科学者ではない。

 職業はなんとカンザスの葬儀屋。

 今までマーケットの半分のシェアを持っていたのにある日を境
に注文が減っていることに気が付いた。

「おかしい何かへんだぞ」と感づいた彼は、いろいろと原因を考
えた末「電話」が臭いと睨む。そこで電話会社に出向き調べてみ
る。電話と葬儀会社の売上減少にどんな相関関係がと思われるか
も知れないが、それが大有りだったのだ。

 その原因はこうだ。なんと交換手のチームマネージャーがなん
とライバルである葬儀屋の奥さんで彼女は「葬儀屋さんへつない
で」と言われると自分の葬儀屋へつなぐようスタッフを指導教育
していたのだ。

 これでは売上げが減るのも当然だ。新しい技術が浸透していく
過程で売上げの経路がある日を境に変化することがある。

 ストロージャーはもちろん抗議したが取り合われなかった。

 ところが諦めきれないストロージャーは悔しさをバネに対応策
を考えはじめる。

 それまでまったくと言っていいほど通信や電気にくわしいわけ
ではなかった彼だがどんどん研究に没頭していく。

 そしてついに交換手を通さずに回転式ダイヤルと自動交換機の
システムを考え出し特許を取得したのです。
 
 めでたしめでたし。

 イノベーターは科学者である必要はないんですね。
 大切なのは執念なのです。

■電話通信の歴史へのリンク
 http://www.gijyutu.com/ooki/research/info-chrono.htm

 

  2006年06月29日   岡崎 太郎