587-情報

 北朝鮮が地下核実験に成功したと突き上げた。

 しかし今回は驚いた。


 今までなら「核実験をするぞ・するぞ」と駄々を捏ねていたは
ずだ。粘って粘って粘り倒す過去の行動とは明らかに違う。

 交渉のカードなんて優等生な思考はもう持ち合わせてないよう
だ。実力を見せつけ後はお前らが判断しろと暴力的だ。

 そういえば先日のミサイル実験もそうだ。イキナリ打ち込んで
来た。なにが北朝鮮で起きてるのだろう。軍部との確執か?キム
の暴走なのか?

 日本は安倍新総理が誕生し、日韓との会談を行ったばかり
 アメリカはスキャンダルの劣勢の中、選挙を控えおよび腰。
 中東はイランが核保有を宣言し、イラクは混迷したまま。
 
 そんな時期の核実験だ。

 情報によれば、追加の実験を行うとの報道もある。

 何を考えているのだ。本気で戦争をはじめたいのか?

 さすがに中国とロシアもこの暴挙に態度を転換したように思え
る。同盟国の後ろ盾をも失くすかも知れないのに・・・

 なんだ?

 キムが何を考えているのか?

 それは誰もわからない。
 しかしこの時点で日本政府は最悪の想定をしているはずだ。
 世界のホットラインは大盛況だろう。

 ところが世間はどうだ?

 株価は上昇した。学校も会社もコンビニも通常通り。ファミレ
スは今日もマルチの勧誘に忙しい奴らが四隅を埋めている。

 ノンビリしたもんだ。

 失くしてわかるものは平和と健康と愛情だ。

 日本国民も他人事ではなくなった事を思い知らなければならな
い。日本は射程距離なのだ。それも独裁国家のボンボンが発射ス
イッチを握っているのだ。それもテレビゲームの気安さで構えて
いる。

 そう拉致は他人事ではなくなったのだ。

 

  2006年10月11日   岡崎 太郎