591-思考

人間の感情が厄介なのは常に上下に揺れていることだ。

 腹が減れば「ご飯を望み」満腹になれば「ご飯を望まない」
 まぁ同じ人間とは思えないほど意識は入れ替わる。

 それが人間なのだ。


 

 感情も意識も欲求もひと所に留まることができない。

 この事を知ることだ。

 さて「悩み」を抱えるのはどんな時だろう?

 当然だが、テンションが下がっている時に悩んだり迷ったりす
るのではないだろうか。

 テンションの高い時であれば、小さな障害は蹴散らして前に進
める。迷うのも一瞬で問題にならないだろう。

 ところが、テンションが低いときは違う。思考はもちろんマイ
ナス方向なわけだから、そんな時にいくら考えてもあまり貢献的
な答えを導き出せるはずもない。

 そう。つい悪い方向に考えイメージしてしまう。

 同じ現象であっても上と下からではまったく別の見解が成り立
つように、受け取り側のテンションの問題は根深い。
 
 そう考えるとひとつの答えが見えてくる。

 それは、テンションの堕ちている時に悩んだり考えたりしない
ことだ。つまりテンションの良い時に、最低最悪の想定を行い、
その場合の対処策を考えておくことだ。

 これは河出書房から発売されている「すごい自己啓発」に書い
ているので参照して頂きたい。

 もし状況がこう変わったら、その時はこう対処しよう。と厳格
に言語化しておくこと。ルール化しておくことだ。

 そうでなければ、少しづつ熱を加えられている風呂に使った蛙
の如く、気がつけば熱湯の中で茹で上がることになる。

 そんな蛙に例えられたくは無い。

 

  2006年10月20日   岡崎 太郎