キューバのホセマルティ二空港で待たせていた現地の通訳を
発見しタクシーでハバナのど真ん中にある「パルケ・セントラル
ホテル」へ向った。
通訳のキューバ人女性の日本語は酷く「明日観光したければ
電話しろ、地球の迷い方という本は嘘が多いからね」と何度も繰
り返していた。僕は何も約束せずに彼女とロビーで別れる。
時計を見ると、すでに23時を回っている。部屋に荷物を降
ろしシャワーを浴びる遅い夕食を食べに街へでた。
街は真っ暗とまでは言わないが暗い。
もちろんコンビニなど無い、どこかバーくらいと思い適当に
歩く。車も人影はまばらだが現地人らしきカップルが歩いてい
る。方向を間違えたのか、だんだん寂しい場所になってきたので
一旦ホテル側へ引き返す。
ホテルの入り口で、困ったなぁと思っていたら男が声を掛け
て来た。
一瞬「危険」と思う。なにせ、こんな時間にこんな場所で声
を掛けられてノコノコ誘いにのるほど僕は馬鹿ではない・・・が
腹がへった。男はスペイン語から英語に切り替えると「俺は今
から少し飲むが一緒に行こう」と言う。こんな時間だ1人で探す
のは無理だから一杯くらいならと思い素直に男の後ろを歩いた。
3分もしないでカフェ風のバーに着いた。僕はフローズンダイ
キリ、男はキューバのビール「クリスタル」を頼んだ。
男の名前は「エンリケ」35歳。両親はイタリア移民でタク
シードライバーで結婚していて7歳の娘がいるそうだ。
なかなか気のよさそうな男だ。しかしまだ信用するわけには
いかない。
メニューをみるがフードが無い。男に「腹がへった」と伝え
ると別の店を紹介される。ダイキリを一気に飲み干しその店へ向
った。
男から「モヒートを飲め」とすすめられる。後はフライドチキ
ンを頼む。日本人が珍しいのだろう店の客が次々に挨拶に来る。
スペインギターを持った黒人とイタリア系の歌手の2人組がラ
テンを奏でる。
なんだかようやくキューバに来た気がしてきた。
調子よくどんどんモヒートを流し込む。歌のお礼にモヒート
を振舞う。2人組みの若い女が隣に座る。エンリケの友達だと
言う。もちろんモヒートをご馳走する。
身長190cmはあろうかという黒人がやってきて「柔道で
日本に2回行った。俺は山下を知っている。あとお刺身な」と英
語で声を掛けて来た。この男にもモヒート。
そんな感じで夜中の4時まで飲んだ。
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勘定をして驚いた。450キューバぺソだと言う。
「?」アンビリーバブル!ありえない。キューバ人の平均月収
が150ペソなのに3倍の450ペソだと?(1ペソは約100円)
しかも持ち合わせが200ペソしかない。
明日払いに来ると行ってとりあえず店をでる。
「ぼられたのか?」
安心しての飲みすぎだ。反省。