601-DCN-9 カストロに逢いたい!

26日キューバ3日目 昼。
 
 エンリケと合流。聞いたばかりのシガー没収の件を伝える。


 

 すると

「大丈夫マイフレンド!そんな時は10ペソを差し出せばいい」

 おいおいそれは賄賂ではないか・・・。あいにくそんな習慣は
持ち合わせていない。

 たいていマイフレンドと気安く言われる場合は注意が必要だ。

(この後、エンリケがシールを一式くれた。これを貼っとけば大
丈夫。友達から仕入れたらしい)

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 ココタクシーに乗って、シガー工場へ!(PARTAGAS TABACO)
今日こそは製造工程を見学するぞ(入場料は10ぺソ)。

 ただし残念な事に写真撮影は禁止。入口でカメラは預けなけれ
ばいけない。(このためにムービーの撮れるデジカメを購入した
と言うのに・・・)

 この工場では、コィーバ・ロミオ&ジュリエット・モンテクリ
ストと名高い銘品葉巻をすべて手作業で製造している。

 今まで「コィーバ」とは、会社のブランドと思っていたので
まさか同じ工場で作っているとは・・・驚いた。どうやら葉っぱ
の選別と職人のランクでブランドを決めているようだ。

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 葉巻一本最初から最後まで1人の職人が鼻歌を歌ながら手早く
巻いていく。

 まず芯の部分。作ろうとする製品の太さを考えて葉っぱを重ね
て素早く巻く。次に木型にハメ込み、万力で締め密度とカタチを
安定させる。この工程の後ぐるりと表を薄目の葉で綺麗に巻けば
出来上がりだ。(ちなみにラベルを貼ったり、箱詰め作業は別に
担当がいる)
 
 僕が見学した時は、コィーバを巻いてる横で別の女性がモンテ
クリストを巻いていた。

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 建物はコンクリートの4階建てだが、内装には木がたくさん使
われている。きっと火事にでもなれば、よく燃えるだろう・・・
僕のそんな心配をよそに、半分以上の人間が作業をしながら煙草
か葉巻を咥えている。(その葉巻は自分で巻いたものですか?)

 そんな煙の中、ラテンが大音量で流れている。

 見学は約30分。葉巻好きでなくても堪能できる内容ですよ!

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 工場をでると

「ヘイ!ユー」と声を掛けられた。僕が振り向くと工場の前に停
められたソビエト製の古い10トントラックが見えた。運転席の男
はニヤリと真っ白な前歯を見せると、一瞬しゃがみ、窓からチラ
リと、コィーバの束を見せた。

 闇葉巻だ。

 っていうか葉っぱの詰まった麻袋を運ぶトラック運転手だぞ?
闇葉巻は蔓延どころか、かなり恒常的なようだ。

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 ハバナでは、まだ中国人には1人も見かけないが、中華街は
しっかりと街の中心地にある。お土産にゲバラTシャツを購入
一枚12ペソ。

 まだ時差ぼけが抜けない。Floliditaでヘミングウェイが考案
した「パパダイキリ」試す。

 ドライだ甘くない。

 やっぱりノーマルなダイキリの方がおいしいです。

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 一旦ホテルに戻り、昨日までのメルマガデータをUSBメモリ
に移し、昨晩と同じネットカフェへ(NO598参照)

 同じ手順でアクセスコードを入れ専用画面からブラウザを立ち
上げる。設定はもちろん日本語だ。

 ところが・・・。文字化け!
 何度かトライするが駄目だ。

 隣のブースが空いたので一旦シャットダウンし席をかわる。

 再度ログインして同様の手順でトライする。

 しかし 
 やっぱり駄目だ。
 
 プロパティを開き、設定を再確認する。何もおかしくないよう
だが・・・。

 すると昨日使ったマシンが空いたので、再度移動する。

 同じ手順を繰り返す。

 エンリケが大きなあくびをしたのが目にはいる。そりゃ退屈だ
ろう。申し訳ないがもう少し待っててくれ。

 ブラウザを立上げURLを入力する。

 http://itm-asp.com/cc/775/0I7bpGeJ

待つことしばらく

「ファンタスティック!日本語が表示された」

 どうやら、このマシンだけは日本語が表示できるらしい。
理由は不明だが、とにかくデータを添付しメールを送信する。

 帰り際に店のスタッフに質問すると、男はあっさり「そのマシ
ンのみ日本語が使えますね」と応えた。

 知ってるなら早く言えよ。

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19:30

 ロシア製タクシーでモロ灯台のある島へ海底トンネルを抜けて
渡る。エンリケお奨めの郊外レストランだ。

 庭園の中に屋根を椰子の葉で作ったリゾート風レストランで
なかなかゆったりとしている。ビールで乾杯し僕は豚のグリル、
エンリケは蛸の煮込みを注文した。

 つけ合せは米と黒豆の煮込みとポテト。
 味は予想どおり昨日と同じ程度。

20:40

 ご飯の後は、毎晩行われるセレモニーを見ようとモロ要塞の中
へ歩いて移動。21:00から大砲を一発ぶっ放すらしい。

 スペイン統治時代の石畳に建物は素晴らしく、ハバナでここを
見ない観光客はいないそうだ。大阪で言えば大阪城と同じだ。

 続々と観光客が集まる。

20:55

 照明が消え、セレモニーがはじまる。

 真ッ赤な燕尾服(当時のスペイン軍の制服だろう)を着た7人が
一列で行進をはじめた。

 ずいぶんと前準備が長いが待つこと10分。

 号令と共に点火が実行されると爆音が鳴り響いた。

 この一発は、予想に反して「とっても感動的だった」
 文章で表現するのは難しいけれど、星で言えば5段階の4。

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 海を挟んで街の夜景を見た後、併設されているゲバラ記念館を
見学。そして野外カフェでエンリケと最後の夜を話し明かした。
なんだか「うるるん滞在紀」みたいでエンリケも寂しそうだ。

 2人でコィーバに火をつけた。

 さぁ今夜はハバナ最後の夜だ。

 

  2006年11月14日   岡崎 太郎