621-ちゃんぽん

 お昼に長崎ちゃんぽんを食べた。
 近所に出来た新しい店だ。


 看板には「○○○のちゃんぽん」とある。
 当然ちゃんぽん専門店だろうと、のれんを潜った。
 メニューを渡されて僕の頭には「?」が点灯した。

  以下メニューのイメージである。

 ちゃんぽん
 五目ラーメン
 味噌ラーメン
 チャーシューメン
 チャーハン
 
 今日のランチ
 メンチカツ定食
 えびフライ定食

 ちなみにランチに「ミニちゃんぽん」でもセットされてるのかと思ったが
ただの定食であった。

 なんだ?これでは普通の中華定食屋ではないか?
「ちゃんぽん屋」としての「プライド・誇り」が無さすぎるぞ。

 看板からして、メニューは「ちゃんぽん1本」で勝負するぐらいの気概が
必要だろう。それが看板に「ちゃんぽん」を名乗るということだ。

 しかもラーメンにはバリエーションがあるのに、なぜちゃんぽんは一種類
なのだ?

 名店と呼ばれる店は総じてメニューが少ない。(メニューは一種類のラー
メンのみのラーメン店。「餃子とビール」だけの餃子専門店・また「釜揚げ
素うどん」だけの店に「焼きそば」だけの店など、バリエーションもなし、
一種類のメニューで突き通す。その極端ぶりには驚くばかりだ!
たぶん「極める」とは、一品をトコトン深堀するわけだから、結果どんどん
シンプルになってしまうのだろう)

 ちゃんぽんと言えば全国チェーンの長崎ちゃんぽんリンガーハットが有名
だが、彼らが凄いのは、価格が安いだけでなく品質向上への挑戦をしている
ことだ。有機農家と直契約で提供されるキャベツに安全なアグリ豚。食感の
良さと湯で時間短縮を目指した麺の改良に魅力的でキャッチーなメニュー開
発。

 個人経営のちゃんぽん屋は、巨人リンガーハットとは違う孤高のステージ
で戦いを展開しなければならない。

 普通のちゃんぽんの延長線上で考えていても駄目だ。

 究極に世界で一番美味しい・ちゃんぽんを作るための10箇条または
100箇条を考え試作を繰り返し編みだすのだ!

 麺の湯で時間は?
 豚の焦げ具合は?
 脂身とのバランスは?
 使用する油は?
 使用する胡椒は?
 スープの温度は?
 キャベツを切る大きさは?
 
 美味いちゃんぽんの理想像を明確に、徹底してこだわるのだ。

 ただナチュラルにノーマルに作って勝ち残れるほど甘い世界ではない。

「また喰いたい!」と身震いするような「ヤミツキちゃんぽん」を魂込めて
開発するのだ。

 これはどの業界でも同じことである。

■お詫びと訂正
オカザキマガジン620「コラボレート」で紹介したプラダ携帯ですが
http://www.mobilport.hu/?r=8266 2ツ折りではないようです。

  2007年01月24日   岡崎 太郎