宮崎から福岡行きの機中で新聞を読んだ。
1月24日、教育再生会議は「提言」と「緊急対応」から構成された
第1次報告をまとめた。これを受けて首相は、25日から行われる通常国会
で改正案を提出した。
ゆとり教育からの方向転換をメインにイジメ問題および学級崩壊への対策
として体罰の復活や出席停止など教師の対抗策が盛り込まれた。
この案件は安部総理の肝いりであり、ワタミ社長やヤンキー先生の会議登
用など、僕もその動向を注目していた。
しかし紹介されている「自分にしわ寄せが来る」という教師の声には幻滅
した。 もちろん立派な教師もたくさんいるのだろうが、メディアが掲載す
る教師の声は情けないものばかりだ。労働時間が増えることへの抵抗はわか
るが、そんなもの、民間企業と比較して考えれば、夏休みひとつとっても問
題などないはずだ。
そもそも教育へ身を投じた人間の覚悟が感じられない。
■教育3法改正案
教育3法とは、教員免許法、地方教育行政法、学校教育法の3法案
首相は「とにかく法案をつくって、与党との議論を行い、そして提出して
国会において十分な議論をした上で成立をめざしたい」と語った。
とりあえずで語る内容ではないのだろうが原案を読んだ感想は悪くない。
過剰な反応を騒ぎ立てる報道を見る前にきちんと原案を読んでみて欲しい。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouiku/dai4/siryou1.pdf
タイトルはこんな感じ。
(1)基本をおさえ、学力向上
(2)いじめを許さない、安心な教室
(3)恩師に出会える学校
(4)責任ある学校、教育委員会
(5)「社会総がかり」で教育再生
でもポイントは6つ。
<1>学力の向上
<2>安心と規律
<3>基本教育の思想
<4>先生の質の向上
<5>地域との関わり方
<6>教育委員会の責任強化
(全責任をおう機関・住民に説明責任がある・住民と議会の検査がある)
内容をピックアップするとこんな感じ。
ゆとり教育への対応は10%時間を増やすレベル。
体罰と言っても、廊下に立たせる程度。
出席停止は、最終、教育委員会の判断。
全国学力調査テストの実施はそもそも行われていなかったことが不思議。
教師免許の更新制度の導入。
(これは真に意味のあるという前文がついている)
また今回、検討されたが盛り込まれなかった課題が大変興味深かった。
たとえば食育・朝ご飯運動・睡眠は大切・寄付税制の導入・家族や故郷の
価値・あいさつの徹底・生活習慣の改善・親への教育とかなり広範囲に議論
されたことが読み取れる。
さて今後 再生会議は、学校週5日制の見直しや「バウチャー制度」導入
などを次なる検討課題とし5月をめどに第2次報告12月に第3次報告をまと
める予定だそうだ。
様々な価値観に意見があるとは思うが、国として、将来の日本を背負う
人間像を明確にして欲しい。
個人的には、無から有を生み出すことのできるたくましさと良心を機軸に
多様な価値観に柔軟に対応できる人間だと思うが・・・
とにかく教育に関心が高まっている時期だからこそ、親・教師・教育委員
会・そして地域がスクラムを組み早急に教育を改革させていく必要がある。
何はともあれ、ぜひとも3法案の成立に全力を尽くして欲しい。