十数年来お世話になっている社長がいる。
どれだけお世話になっているかは紙面の関係で割愛するけれど、30歳で
独立した時などは、ご祝儀をポンと頂いた上、仕事も依頼してもらった。
僕は恩返しのひとつとして「モチベーションシート」をお贈りしていた。
ただ彼も使い慣れた手帳があるようで、残念なことにモチベーションシー
トは部下の手に渡っていた。もちろん本人に使って頂きたいが無理強いする
わけにはいかない。
変化は3年目にしておきた。
正月の2日目、なんとなく自宅でアイデアを閃いた彼は忘れないように
メモをしようとモチベーションシートを箱から出し書き始めたそうだ。
近くにたまたまノートがなかったそうだ。
メモは結局3ページにわたり、軽く息を吐き出した後、パラパラとモチベ
ーションシートをめくったそうだ。
「変わってるなぁ・・・この欄はどう使うのだろう?」そう思った彼は、
添付の小冊子をひっぱり出し読みはじめた。
「なるほど!今まで考えっぱなし、言いっぱなしになっていた。これからは
記録をとって確認だ!」
彼は、妙に納得したそうだ。「1日3分夢実現ノート」は読んでいたそう
だがタイミングというのがあるのだろう。
「もっと早くはじめればよかった」彼はびっしりと書き込んだシートを僕に
見せながら言った。
先日彼の事務所から数十冊の注文を頂いた。幹部社員全員で使ってみる
そうだ。しかも彼は全国にある取引先の社長や担当に紹介しているらしく
全国から注文が舞い込んだ。
どうやら眠れる獅子が起きたようだ。
モチベーションシートがA5になったお陰かもしれないが、会社の一括
購入が増えてきた。それぞれ話を聞くと、やはり会社の代表がモチベーショ
ンシートの効果を実感したことが一番の理由のようだ。
僕の会社でも全スタッフが使っているが日報と違い提出の義務はない。
しかし会社としてスタッフ1人1人が「よかった出来事」を感じ、時間の
大切さを知り、夢を育てる体系を手にすることは、間違いなく良いことで
ある。
やる気は他人から「お尻を蹴り上げられること」では上がらない。
自分の深い部分から湧き上がるものだ。
一瞬一瞬の「欲」を記録し、望むイメージをグルーピングで明確化する。
この方法論を早く学んだ人から自分を取り戻すと僕は信じている。