666-ISOとCSR

 気になる横文字が出てきたので調べてみた。

 CSRとは[Corporate Social Responsibility]の頭文字をとったもので
「企業の社会的責任」という意味。


 

 ISOとは[International Organization for Standardization]の頭文字
をとったもので「国際標準化機構」という意味。世界共通の規格・基準を制
定している民間の組織のことで本部はスイスのジュネーブにあります。
現在148カ国が加盟していて15000を超える規格を開発している。

 中でも品質マネジメントの規格「ISO9001」は、日本でも大変人気で2005
年末のデータでは53,771件もの企業が取得しています。

 ちなみに世界登録は776,608件の登録。1位は中国の143,823件、2位はイ
タリアで98,028件、日本は第3位です。

 次に人気な規格は「ISO14001」環境マネジメントシステムとして、製品・
サービス等が与える環境の負荷を継続的に低減・防止していく仕組みを企業
の中に構築するマネジメントシステムです。

 2005年末データで、日本の登録件数は23,466件。これは世界で一番の登録
数で日本人の環境意識の高さがわかります。ちなみに世界の登録数は111,16
2件。2位は中国の12,683件。

 メリットは何かと言えば、この規格を取得しロゴマークを提示することで
我が社は環境問題に真摯に取り組んでいますよ!という企業イメージ向上で
すが、資格取得のプロセスで社員を教育し社内の態勢が整備されることが一
番です。

 もちろん、省エネや廃棄物削減など環境への悪影響を低減することは企業
の社会に対しての責任ですから、とてもいい風潮だと僕も思います。

 他にも情報セキュリティマネジメントシステムのISO27001や食品安全マネ
ジメントのISO22000とたくさんあります。

 さて、人気のISOですが、今注目されつつある新規格が
「ISO26000」です。

 これは社会的責任に関するガイダンス規格なのです。

 誤解されないようにいえば、企業の社会的責任(CSR)ではなく、SR
(Social Responsibility社会的責任)規格なのです。

 つまり、企業に限定した規格ではなく、私設公設を問わず、あらゆる種類
の組織に適用されることを規格の主眼においているのです。

 現在ISOでは、2001年から規格の検討をはじめ、現在鋭意作成中です。
成立は2008年とも2009年末頃と想定されています。
   
 2007年1月、シドニー総会で「SR」の主たる要素として確認された
のは(1)環境(2)人権(3)労働慣行(4)組織統治(5)公正な事業
活動(6)社会開発(7)消費者課題の7つ。

 公式情報では、

「ISO26000は、社会的責任に関する国際社会の英知を集めたものと
なり、社会的責任を全うするために組織がすべきこと、そして実行上のベス
トプラクティスを示すことになるであろう。組織にとって、良い思いから良
い行動へと変化することを助ける強力なツールとなるであろう」
と結論付けている。           

 企業の存在価値は、利益を稼ぎ出すだけに留まらず、社会的貢献であると
いう価値が広く理解されるためにも、この規格には注目したいところだ。

 ただ金をばら撒くのではなく、人間が行動することに価値が置かれること
になろう。

  2007年07月02日   岡崎 太郎