693-MP3を直接編集

仕事がらセミナーや講演の内容をデジタル録音して簡単な編集を行うこと
が多いのだが、つい最近まで使用していたSONYのhiMDが壊れてしま
い。WAVEで録音可能なローランドR-09というデジタル録音機を購入
した。

 

サンヨー製の録音機もなかなかよかったのだが、あまりに小さい筐体で
紛失しそうと思いローランドにした。

 実際使ってみると、WAVE形式の素晴らしい音質に大変満足しているの
だが、なにせファイルが重い。ちなみにコンパクトでありながらも最大24ビ
ットのリニアPCM録音に対応している。

 問題は単3乾電池2本で連続4時間しか録音できないことと、使わない時
は乾電池を抜いておくこと。どうも自然放電しているようで、いざ使おうと
すると電池が無いことが重なった。この録音時間の短さが起因して、録音し
ている途中、携帯電話のように電池残量をお知らせするアラームなど無いた
め、講演終了後に録音できていなかったという事態に気をつけなければなら
ない。これはメディアの容量もそうで録音前に確認しておく必要がある。

 さて、メディアはSDカードで最大4GBに対応しているのだが、なにせ
4GBはまだまだ高額なので僕は2GBを使っている。そうなるとやはり気
になるのは録音時間だ。

 仮に2GBのメディアにWAVの最高品質(24 ビット/48kHz)で録音す
ると110分である。これが320kbpsのMP3ファイルだと、なんと797分も
録音することができる。

 しかもオーディアファイルとしてCDに焼く時は、WAVであれMP3で
あれ変換が必要なわけだから、考えてみるとMP3のまま編集ができれば
作業効率が大幅に向上しナイスである。

 ここまで考えてきて、ひとつ疑問が沸いてきた。圧縮ファイルである
MP3をそのまま編集するなんて出来るのか?一旦WAVに戻し編集を加え
また圧縮するなら、なおのこと最初からWAVで記録するべきだ。

 そこでフリーウェアーの宝庫であるベクターを検索してみた。

 するとあることにはあるのだが、波形をドラック&ドロップで編集できる
ソフトらしくものが無い。

 そこでグーグルで検索をしてみた。

「なぁーんだあるじゃん!」苦節一時間ようやく見つけたソフトがこれだ!
 
■QuickAudio 2.0
http://www.infoserve.net/quickscore/qaudio.html

■mp3DirectCut
http://mpesch3.de1.cc/mp3dc.html#dwn

QuickAudio 2.0は波形がステレオ表示。フェードイン・アウト機能も充実し
ている。mp3DirectCutは波形がモノラル表示でシンプルな編集ソフトという
感じだ。波形もQuickAudioに比べると粗い。

 いくつかのファイルでテストしてみたが、原因は不明だが中には開かない
ファイルがあった。万能では無いということだろう。

 ともかくこれで編集作業の効率アップは間違いない。


■備考 デジタル音源について少し補足を記録しておきたい。

■サンプリングレート

 空気の振動によって音は出来ているわけですが、
 振動の回数が多いほど「高い音」、少ないと「低い音」となります。

 この振動回数を周波数といい、仮に1秒間に15回の振動回数のことを
「 15Hz (ヘルツ)」=「1秒間に15回の振動」と表します。

 ちなみに人間の耳で聞こえる範囲は
 およそ20Hz(低音)~20000Hz(20kHz)(高音)と言われています。

 サンプリングレートとは、空気の振動のデータを 1 秒間に何回サンプリ
ング(記録)するかを示す値で、例えば1秒間に15回データを記録する場合
サンプリングレートは「15Hz」と言います。

 ですからサンプルレートは数字が大きいほど、細かく高精細に記録できる
というわけです。

 ■一般的なサンプリングレートと音質
電話   11kHz (11025Hz)
AMラジオ 22kHz (22050Hz)
FMラジオ 33kHz (33075Hz)
CD・MD 44kHz (44100Hz)
DAT 48kHz (48000Hz)


 ■ビットレート

 ビットレートとは1秒あたりのデータ量を示す値

 例えば 10bps( bit per second=ビット毎秒)であれば、
 10秒では100bitのデータサイズになるということを表しています。

 MP3やWMAなどの圧縮音声ではデータサイズに着目するために、このbpsと
いう数値が出てきます。ビットレートが高いと(大きい)と、その分、音質
がよくなると考えてもらうといいでしょう。それだけデータ量が多いという
ことですからね。
(MP3の標準は128kbpsが「観賞に耐えうる音質」の規準とされています。
1秒間に128000ビットの情報が記録されているということですね)

  2007年11月20日   岡崎 太郎