経営の基本を見直そう。
基本をスタッフに、絶えず懇切丁寧に、やり方、考え方を伝え、環境整備
を進めることが最初の一歩であると考えます。
■たとえば褒めているだろうか?
あるアメリカの調査では13回連続して褒めたあと、一回怒った場合が
もっとも生産性が向上したというレポートがあります。
人は褒めなければ育たない。
頭ではわかっていても行動できているでしょうか?
同様に相手を理解しようと努めているだろうか。
人間は自分が一番正しいと思う動物であり、そのため相手は間違っている
と思いがちですが、理解される前に理解することこそが大事なのです。
私達は、相手を完璧に理解できないからこそ、お互いに理解しようという
気持ちを持たなければ関係を紡ぐことはできません。
■たとえばタスク管理。
日々の業務タスクを、棚卸して当日に書き直しリストを作り、緊急度と
重要度を勘案し優先順位を設定する。次に、そのタスクをやり遂げるために
何から手をつけるべきかを考える。次に時間配分を考え、一日のスケジュー
ルを計画する。もし自分のリソースで手に負えないタスクはチームで解決で
きないかを上司または同僚に相談する。
このタスクを見直すための時間を朝一番に設定しているでしょうか。
業種や職種に関係なく一日の見通しをつけるのに必要な行動です。
残念なことに、タスクのやり方を丁寧に教え実践してる会社は意外と少な
いのです。教えてるつもりで教えっぱなしになっていないでしょうか。
同様にメモの取り方。
人は呆気ないほど簡単に忘れる動物です。メモの必要性・まとめ方・生か
し方・着眼の仕方など出来そうで出来ていないのがメモのとり方です。
じつは入社以来、一度も教えていないのではありませんか?
■たとえば報告や連絡。
上司は上司で部下に指示を出しっぱなしにしていないでしょうか?
報告や連絡は、双方緊密に連携していくことが大切です。
同様に、会議やミーティングで自由闊達な意見交換ができる風土の構築
はとても大切です。風通しのよい企業風土、耳の痛い話を上層部に上申でき
るのは経営者および上司の人格による部分がすべてです。
部下に問題はありません。
■たとえば昇給や昇進の基準
スタッフが将来の計画を立てるうえで、キャリアアッププランや昇給昇格
の基準を明示しているでしょうか。個人面談の時間をとり、スタッフの性格
や性質また少し先の未来をポジティブにイメージできるよう指導しているで
しょうか?
生活のために、給与を稼ぐためにといった義務的労働から、主体性を持っ
て働くための意義や志を持てるように、具体的に実践していることは何でし
ょうか。
また経営者視点を持てるような研修やトレーニングを年何回実施している
でしょうか。
企業の収益と報酬の考え方は時代にあっているでしょうか?
社員旅行や海外研修または食事会やお誕生会など、社内のレクリエーショ
ンはマンネリになってないでしょうか?
■たとえば企業の目指すべきヴィジョン
自社は何を目的に活動しているのか?成し遂げたい将来のヴィジョンを
繰り返しアナウンスしているでしょうか?
社内の倫理規定や大切にすべき価値観の共有。
そして中期計画。
3年以上5年未満の会社の数字的な目標や企業として取り組むプロジェク
ト、また個人のスキルアップのテーマ別など、それぞれにに行動計画を策定
しているでしょうか。魂の込められていないお題目のような計画では誰も本
気で実現しようなど思えません。
■たとえばストレスマネージメント。
知らぬ間に受ける仕事上のストレスといかにして付き合うのか?
根性論だけで個人が勝手に乗り越える時代ではありません。
会社としてノウハウを学ばせる機会を作っているでしょうか。
同様にセクハラやパワハラ対策、また出産後の復帰規定や手当ての設定。
一度設定したままにせず、定期的に検討を重ねているでしょうか。
このように、会社を運営する上において、専門的で特殊な技術の前に
基本的かつ基礎的なスキルや考え方を学ばせる、または環境を整備すること
が前提としてあることを忘れてはいけません。
基本なくして高度なことを習得しても使いこなせません。
今一度基本を見直してみてはいかがでしょうか。