716-ドイツ大使館

親友の編集者からのお誘いで、ドイツ大使館へ伺った。

「ドイツワインの調べ」というイベントなのだが、招待状が届くまで冗談だ
と思っていた。てっきりタキシードか?と心配したが、案内には平服である
ので安心した。


 

 なにせ大使館などという場所はもちろんはじめてで、少し緊張しつつも一
時間前に到着した。遅刻は洒落にならない。

 一応大使のお客様という招待状を門番に見せると、電子錠が開き中へと通
される。車が横付けできるサイズの玄関に、いかにも洋館という外観、一昨
日の雪が残った庭。本当に入っちゃったよという感想のまま中を覗きこむよ
うにドアをくぐる。

 どうやら受付の準備もまだのようだ。照明は明るく、内装も近代的でモダ
ンな感じだ。聞けば大使が交代するたびに、その方の趣味嗜好にあわせて内
装は変更されるそうだ。

 ドイツ産のウェルカムスパークリングを頂きながら、主催者及び今回のス
タッフを次々に紹介いただく。未だ趣旨さえ理解していない僕は、場の雰囲
気に慣れようと呼吸を整えた。

 今回のお客様は、様々な方面で活躍される人ばかり、その筆頭はなんとい
っても課長 島耕作シリーズの漫画家 弘兼憲史氏に、現在NHKで絶賛放映
中のプロフェッショナル仕事の流儀の司会をつとめる茂木健一郎氏、また若
手津軽三味線の上妻宏光氏や放送作家のすずきB氏など9名。

 おっ、そう思ってる側から弘兼氏登場です。一緒に日本庭園を散策する。
さすが、好奇心が旺盛というか滅多に入れない場所だからと雪の残る庭園を
隅々まで探索される。聞けば大使館は大正時代からこの場所にあるそうで、
確かに石造や祠は年代もののようです。

 僕は漫画「島耕作」の中で紹介された、福岡に実在する料亭「有栖川」の
件を切り出すと「オーナーは元気です?」とようやく話に花が咲きました。

 さて晩餐会は、ドイツワイン8種類とドイツの名物料理のフルコース。
ハンス大使の小気味よい挨拶のあと、銀座レカンのエグゼクティブソムリエ
五味さんによりワイン解説で滑り出しました。

 それにしてもスパークリングを3杯も飲んで、このあと大丈夫なのだろう
か?というほどワインの品種ごとに飲み分けるためにグラスがずらり並んで
います。適度な緊張でどうやら凌げそうですが。

 それにしてもドイツワインは甘いだけの白ワインをイメージしていたので
すが、白ワインの中でも辛口のもの、また赤ワインもしっかりとしたボディ
ーの味わいに驚きました。日本では一時期、マドンナやカッツといった甘め
の白が売れたこともありそのイメージが強く定着しているのですね。この印
象を払拭することがこの晩餐会の意図でもあるそうなのです。

 お隣の上妻さんと楽しい会話を楽しみながら、いい感じでお酒に酔っ払い
食事が終わると記念撮影!憧れの方と写真におさまり解散。帰りは茂木さん
と地下鉄の駅まで行き、楽しい夜だったなぁと思っていたその時。

 主催者から電話で今から二次会だけど時間ありますか?とのお誘い!

 このチャンスを逃す僕ではありません。その後西麻布で弘兼さんとすずき
Bさんに合流し、ドイツワインの後はフランスワインで夜中2時までたっぷ
り飲んだのでした。

この模様は、月刊 宝島で紹介されるそうなので、雑誌が発売されたらまた
紹介します。しかしこんな機会そうあるものではないっすよね。

夢のようとはこんな事を言うんでしょう。

  2008年02月15日   岡崎 太郎