723-アフリカ紀行 No5 DAY3 20080301 支援施設

朝8時半ホテル前に池渕さんがユニセフで働く小林さんという女性と車で
迎えにきました。その後海外青年協力隊の男性が働く、エイズ孤児支援のシ
ェルターへ移動します。


 

 道中、ガソリンスタンドに長蛇の列です。現在ガソリンがなかなか手に入
らないため酷い時は一日中並ぶそうです。

 コンビという乗り合いバスのほとんどは日本から運ばれてきた中古車で、
中には黄色のボディにアンパンマンがデザインされた幼稚園バスがそのまま
走っています。その幼稚園バスに定員オーバーの人間が寿司詰めで乗ってる
様子はなんとも奇妙なものです。

 さて隊員の男性はタキガミ君といってまだ20代半ばの好青年です。今日
土曜日はお休みだというのに僕のために一日案内してくれるそうなので、プ
レゼントとしてハウスのクリームシチューとハッシュドビーフとザッカリー
の3種類を渡しました。本当にありがとう!

後で聞くと一人前のレトルトパックになっているものがよかったそう。池
渕さんは自宅で用事があるので僕と小林さんを置いて一旦帰りました。

 施設は大きく分けて、幼稚園と小学校が終わったあと食事を支援する施設
からなっています。中にはウサギやニワトリを飼育していたりしますがもち
ろん食用だそうです。

 聞くとこの施設で摂る一食のみの子供もいると聞きます。また孤児の中に
も親戚や兄弟に引き取られ比較的正常な生活を送る子供もいれば両親が揃っ
ていてもなかなか間々ならない生活の子供もいるそうです。

 施設ではパソコンの授業や英語の授業も行っていて将来に活かせる内容に
なっているそうです。

 用務員のような仕事をしている男性は家族で施設内に住み込みです。大き
な木の下に真四角のコンクリートで出来た家があって、すぐ横には自家用の
とうもろこし畑があります。

 平均寿命が世界最低水準の38歳と言われているジンバブエですがよく聞
くと幼児の段階でも死亡率が大きく平均寿命を下げている理由のようです。

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 施設の見学後、タキガミ君の案内で現地の人に混ざってコンビに乗り
「ムバレ」という市場へ移動です。初めて乗ったコンビは超オンボロのトヨ
タのバンでしたが、車もここまで酷使されれば本望でしょう。

 昨年6月に販売価格を強制的に半額にせよという無茶な価格統制令が発令
され、その後マーケットから商品が一切なくなったと聞いてましたが、当時
も、ここムバレにはそれなりに商品が集まっていたそうで、今回など溢れか
えるほど食材や洋服また雑貨がありました。

 ただし現在は大統領選挙前なので商品があるけれど、選挙後はわからない
そうです。商品に限らず電気や水道も断続的にストップしていたのが最近は
調子がいいそうで、これも選挙前になけなしの外貨でモザンビークから仕入
れていると言いますから、選挙後はどうなるのか心配だと聞きました。

 ハラレ最大のマーケット「ムバレ」に話を戻しましょう。

 各地方へ向かうバスの拠点にもなっている関係で人・人・人・人の洪水で
す。市場の建物は強烈な日光を遮るためにトタンで屋根を組んだ簡素なもの
ですが、それこそ所狭しと店がひしめき軒を連ねています。まさにこの雰囲
気こそアフリカのイメージです。

 ただなかなか一眼レフを取り出して撮影するのは勇気がいります。今回出
会った人全員がカメラはNGだよと忠告するのです。市場の中にも私服警官
がいるとも聞きます。

 でも絶対撮影したいじゃないですか!

 大量にバナナを売っている店の奥で黒人の男が五人、車座に座りジンバブ
エ札をタバコを吸いながら数えています。100枚一束で括るとバナナを運
ぶためのプラスチック箱へ無造作に投げ込んでいます。

 これぞ狙っていたスーパーインフレの現場です。絶対撮影したい!

 店番らしき女性に写真はいいかと聞くと、すかさず「10ミリオン」とい
われる。日本円で50円なので笑顔で払うとさっそく撮影です。足元に乱暴
に詰まれた札束、もし日本円で一万円なら大金持ちです。

 一人の男がプラスチックに注がれた現地の酒を勧めてきました。たぶん
「どぶろく」のようなモノなのでしょう。味見をしましたが乳白色ですっぱ
く、美味しくはありません。

 市場にはオクラ・インゲン・トマト・キャベツ・玉葱・カボチャ・マンゴ
・みかん・アボガドに見たことのない野菜が少々。価格は安いわけでは無く
て一般市民にはなかなか手がでないそうです。なにせ平均月収が日本円で千
円といいますから、6個50円のトマトは確かに高いと思います。

 海外に出稼ぎにでた兄弟からの仕送りが命綱だそうです。 

  2008年03月08日   岡崎 太郎