3月29日に行われたジンバブエの大統領選挙の続報です。
この開票結果は大幅に遅れ、23の選挙区で票の再集計を行うなどを経て
ようやく約一ヶ月後の5月2日、ツァンギライ議長が47.9%、ムガベ現
大統領が43.2%と発表した。
投票結果を操作しているのだろうという大方の予想を裏切り、野党代表の
勝利に驚いたものだが、与野党候補とも50%以上の支持票を獲得出来ず、
選挙法に基づき決戦投票が行われることになった。
野党陣営は、独自集計を基に議長の過半数を上回る勝利を宣言。
開票結果の発表の遅延についてはムガベ政権の延命工作と反発、裁判所に
結果発表を求めて訴えたが、棄却されていた。
ところが、決戦投票の日程がなかなか決まらない。
ジンバブエの選挙法によれば「決戦投票は、選挙結果の発表から21日以内
に」と決められているようですが、選挙管理委員会は「選挙結果発表後の
21日以内から90日以内に延長する」と発表するなど、決戦投票は7月
実施とも言われていました。
その間、大統領選の投票結果をめぐり混乱で15人が殺害され、野党の活
動家が約200人投獄されるなど混迷を深めている。
ようやく5月16日になって、ジンバブエの選挙管理委員会が、6月27
日に決戦投票を実施すると発表した。
大統領5期目を目指す与党・ジンバブエ・アフリカ民族同盟愛国戦線
(ZANU―PF)のムガベ大統領野党と民主変革運動(MDC)の
ツァンギライ議長の決戦だ。 ムガベ大統領が再選した場合、さらに5年間
大統領を務めることになる。
野党MDCは当初、選挙管理委員会による一部選挙区での再開票作業に
問題があるなどとして決戦投票は不要との立場を主張した。
しかし決戦投票を拒否した場合、ムガベ氏の続投が決まることなどから
決戦投票への参加を表明した。
またツァンギライ氏は、国際平和維持部隊や選挙監視団に対し公正な投票
が行われるよう協力を要請し、ジンバブエ国民に対しては決選投票実施のた
め暴力を停止するよう求めている。実現することがもちろん望ましい。
最初の投票で劣勢となった与党は決戦投票を主張すると共に、野党陣営の
政治家拘束、政府批判派の締め付けなど権力維持を図る強権手法を強めてい
ると報道されている。