771-インド-2

朝5時に起きて、ガートに向かう。
 
朝焼けに染まる沐浴シーンを撮影するのが目的だ。


 昨日知りあったガイドのパンディとロビーで合流。
 ほんの目と鼻先までなのだが、わざわざ車で回り込む。

 ガートまでの小道は車はもちろんリキシャも入れないので徒歩になる。
 コリドーを抜けると「ケーダール・ガート」だ。目の前に神聖なガンジス
がゆったりと流れている。急勾配の階段の下には、まだ明けきらない朝闇の
中すでに大勢の信徒が半裸で沐浴を始めている。

 小雨が落ちてきたので、カメラを庇いながら露店のテントに転がり込む。
チャイ一杯で雨宿りできるなら安いもんだ。牛乳で紅茶を煮出したっぷりの
砂糖を加えたこの飲み物は、心底体を温めてくれる。ただ不衛生極まりない
のだが美味くて飲める。

 そうしているうちに雨がやんだのでボートに乗り込む(200ルピー)
少しだけひんやりとした空気に背筋が伸びる。昨晩とは景色がまるで違う。

 敬遠なヒンズー教徒のパンディーは僕がボートに乗っている間、沐浴する
そうだ。

 火葬場のマニカルニカーガートを遠目に川岸に並ぶガートを順にまわって
いく。河の流れは意外と早く強いので、Uターンして流れに逆らうには相当
の腕力がいるようだ。朝から多くの観光客がボートに乗りカメラやらビデオ
で撮影に忙しい。

 朝日が昇りはじめると気温があがりはじめる。太陽の強い光が水面を照ら
す。空はうす曇でどんよりと重いのだが街は輝いている。沐浴目的のインド
人と観光客、それに群がる売り子達、どのガートも人で膨れ上がる。

 約一時間ほどガンジスに揺られた後、一旦ホテルに戻る。仮眠をとってか
らガイドのパンディからヨガ体験スクールを部屋で受ける。

 パンディは幼少の頃より一日も欠かさずヨガを行い宇宙と交信ができるそ
うだ。その言葉に少し胡散臭さを感じながらも、基本的なヨガのポーズと
いくつかの呼吸法を教えてもらう。約2時間で(500ルピー)

 だんだん高度なポーズに自分の体の硬さを思い知る。僕は体という乗り物
をコントロール出来ないうえに、その乗り物である体の性能も老化やら劣化
やらでスムーズに動かない。これは根本的に改善に乗り出さなければと思い
知る。

 それにしてもパンディはさすが本場のヨガマスターだ!滑らかな動きで
ポーズを決める姿は美しく。呼吸はまるでポンプだ。

 ひと汗かいたのでアーユルヴェーダのマッサージを受けにいく。おでこに
特製オイルを垂らすインド特有のスパメニューである。

 ある本では不思議な浮遊感があるなどと書かれていたが予想していたより
何もよくない。価格も一時間半で8000円と観光客プライス。
これならタイ古式マッサージの方が何倍もいい。

 その後ベナレス大学内にあるヴィシュワナート寺院へ。大学の敷地内なの
でとても静かでモノ売りもいない。ちなみに生徒が1万人というベナレス大
学は、個人の寄付で建てられたとは思えないほど広大な敷地だ。

 その後、夕焼けに染まるドゥルガー寺院を外から見学。そもそも真っ赤な
ドゥルガー寺院は、別名「モンキー・テンプル」と呼ばれるほど周辺には猿
が多い。その後ATMでキャッシング。普通に西日本シティ銀行のカードで
ルピーを引き出す。(1インドルピー=2.13円)

 あたりが暗くなってきたのでホテルに戻る。昨日と同様ビストロバラナシ
で夕食。何もすることがないので就寝
 
 バラナシには酒がないとの前情報のおかげで僕は成田空港でジョニーウォ
ーカーの黒を買って持ち込んだのだが本当にバラナシには酒がなかった。

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  2008年10月15日   岡崎 太郎