795-ジンバブエ

政治の混迷から世界でも記録的なハイパーインフレーションに陥っている
南部アフリカ・ジンバブエのニュースをまとめてみたい。

 ジンバブエでは政治・経済危機の影響から、かつて英1ポンド相当の価値
のあった1ジンバブエドルが紙切れ同然となった。
 

 パン1斤の値段が数兆ジンバブエドルにまで高騰している。

 中央銀行は2009年2月2日新たに1兆ジンバブエドルを新1ジンバブエ
ドルとする12桁ものスーパーデノミ(通貨切り下げ)を実施した。
と無茶な政策を実施している。


 デノミ直前まで流通していた最高紙幣は「100兆ジンバブエドル札」
 ちなみに100兆ジンバブエ・ドルは、2009年1月15日の闇レートで約300$。
ほぼすべての外貨取引はこの闇レートで行われているが、現地通貨の価値は
毎日恐ろしい勢いで下落している。

この歴史に残るハイパーインフレ下で2008年8月に10桁のデノミをすでに
実施していたのだから驚きだ。(100億ジンバブエ・ドルを1ジンバブエドル
とするデノミ(通貨呼称単位の変更)を行った)

(2006年のインフレ率は1000% ちなみにこの率でさえ世界初だった)
(ジンバブエでは、2008年1月に1000万ドル札、4月に5000万ドル札、
5月に1億ドル札と2.5億ドル札が発行され、その後50億ドル札、250億ドル札
500億ドル札の発行が続き、7月21日1000億ドル札を発行し、翌8月に10桁の
デノミを行った)

(2008年7月ジンバブエの経済は年率2億3100万%の物価上昇を記録)
(2008年8月1日にデノミを行ったばかりのジンバブエの中央銀行は9月30日
新しく2万ジンバブエ・ドル札を発表した)
(2008年12月12日 新5億ジンバブエ・ドル紙幣の流通を開始。ただし米ドル
に換算すると約10ドル(約910円))
(2009年1月15日100兆ジンバブエドル札)
そして今回の12桁ものデノミである。

 米シンクタンク「ケイトー研究所」の試算では、年897垓(がい)%に
上るというから驚きだ。垓という単位は10の20乗。
数字に直すと「897」の後ろに0が20個もつくことになる。

度重なる新紙幣の発行。このコストだけでも馬鹿にならないと思うのだが。

 超インフレのジンバブエの新連立政権は2009年2月18日、公務員の給与を
米ドルで支払い始めた。現地通貨ジンバブエドルは今や紙切れ同然で、
同国公務員は実質的に無給で働く状態になっている。

 野党・民主変革運動(Movement for Democratic Change、MDC)の副議長
テンダイ・ビティ財務相は、米ドルで給与を支払う目的を「適正な給料を
支払うため」と説明した。(対象は教師を含む13万人全ての公務員)

 また他にも気になるニュースがある。

コレラ感染が拡大しているジンバブエで、感染者数が8万人を超えた。
(2009年2月21日)

他にも気になるのは、国連が2009年1月29日に発表した「失業率」。
なんと失業率は94%に上昇したと伝えた。ちなみに2008年3月の失業率は80%
だった。人口は1320万人(2006年)で仮に5割が働ける世代として650万人
そのうち9割が失業者だから600万人が失業していると予想される。

 日本の失業率が屁のように感じる。
 また平均寿命は38歳と世界最悪。
 日本と比較してはいけないが、これは酷すぎる。

 政治混迷からの解決にも光が見えない中、立ち直ったジンバブエが
早く見たい。

  2009年03月09日   岡崎 太郎