800-バイド

2009年4月16日のニュースに驚いた。

 内容は、中国の新興自動車メーカーBYDオート(比亜迪汽車)が
2009年3月期の販売台数が国内一となったと言うのだ。
(中国乗用車連席会発表)

 

http://www.byd.com/

 BYDといえば去年の10月ウォーレン・バフェットが新株10%を取得した
ことで注目された中国の新興自動車メーカーである。

 バフェットが目をつけた!

「バリュー株投資」といわれる彼の手法は簡単にいえば、誰も見向きもしな
い時期に先見の明で株を買い集め、成長を待つこと、過去にはコカコーラや
ジレットなどがあり巨万の富を築き上げた。

 まさに「投資の神様」だ。

 そんな彼が見立てた銘柄だけに、発表と同時に買いが殺到。
9月29日終値は前日比41.66%高の11.900香港ドルに跳ね上がった。
数日前の9月23日には年初来安値の7.61香港ドルをつけた株価はこのニュー
スを機に10月2日終値は15.9香港ドルと6取引日で2倍になった。

 BYD社は1995年、300万元(約4200万円)を元手に社員30数名で設立
された電池メーカーだ。代表の王伝福氏が29歳の時のことだ(現在43歳)

 なんとも歴史の浅い会社ではあるが、実は携帯電話用途の二次電池の世界
シェア39%(2003年)・リチウムイオン電池は約15%(2003年)と圧倒的な
シェアを誇る。快進撃の秘密は日系電池メーカー製品に比べ40%も安い
価格であった。

 BYD 2007年12月期本決算
 売上高:212億1000万元(前年比:63.9%増)(約3039億円)
 純利益: 16億1200万元(44.25%増)(約230億9500万円)

BYD 2008年12月本決算:
 売上高:267億8800万元(前年比26.3%増)
 純利益:10億2100万元(同36.6%減)
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 変化は2003年にある。

 なんと自動車会社を買収したのだ。

 目的はプラグインハイブリッド車の開発。
 なにせ電池の開発力は世界一。

「電池メーカーが、なぜ自動車?」と異業種への参入なのだと疑問視する
見方が多かったが、BYDは、蓄積された二次電池技術を応用して電気自動
車を生産することを目指していたという。

 2007年にはコンセプトカー「F3e」を発表。
 2008年12月15日には「F3DM」の市場投入を発表。
 (DMとは"Dual Mode"の略)

 ちなみに搭載された「電気バッテリー」と「1000ccエンジン」の
ハイブリッドシステムは手動でボタンを押して切り替えるものだそうだ。

 バッテリーは10分の急速充電で50%充電可能・フル充電で100kmの航続
距離という。(コンセプトカーでは300kmを目指していた)

価格は14万8千元 2009年4月23日現在1元は14.31円なので車体価格は
211万7880円となる。
(ホンダのインサイトは189万円・トヨタプリウスは233万円から買える。
4月21日に発表された3代目新型『プリウス』はインサイトを意識して2代目
よりも価格は安く設定されている)

 下記、最近のニュースをまとめてみた。

 2009年2月11日
 デトロイトショーでは『e6』というミニバンタイプの電気自動車(EV)を
発表した。
 この車は全長4554mm、全幅1822mm、全高1630mm 重量は2020kg。
 0-100km/h加速は8秒以下、最高速は160km/h以上。航続距離は400km以上
http://response.jp/issue/2009/0211/article120343_1.images/216531.html

 電気自動車ではないが、先の上海モーターショーでは
まるでエスティマのような車を発表している。
http://response.jp/issue/2009/0420/article123550_1.images/229323.html
 
 他社メーカーのデザインをまんまコピーし、しかも発表してしまうセンス
には閉口してしまうが、元気がいいのだろう。

 過去にはBMWからまんまそっくりのロゴ使用の中止を求められたりもし
ているが懲りない会社である。
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1022&f=business_1022_009.shtml

 ちなみに「BYD S8」はメルセデスにそっくり。 
http://car.watch.impress.co.jp/img/car/docs/152/884/html/as810.jpg.html

 中国のメーカーに限らず世界の自動車メーカーが将来の覇権を狙い
ハイブリッドに代表される環境対応車種の開発に力を入れていることが
今回の上海モーターショーでは目立った。オバマの演説に代表されるように
世界は環境へと大きく舵をとって進んでいるのである。

  2009年04月23日   岡崎 太郎