フィリップ・コトラー(Philip Kotler)は、アメリカの経営学者です。 現代マーケティングの第一人者として日本でも知られています。 本国アメリカでは1971年から約50冊の著書が出版され、日本でもたくさんの 翻訳本に解説本が出版されています。 |
1931年シカゴ生まれなので今年で78歳ですね。
マーケティング理論としてはSTP理論や、マーケティングの4Pに
people・processes・physical evidenceを加えた7P理論などが有名です。
ちなみにSTP理論とは
セグメンテーション:市場を細分した層に分け
ターゲティング :自社の標的となる市場層を選び
ポジショニング :市場で競争者と差別化できる地位を確保する。
これは選択と集中の大切さを説くもので、多くの教科書に登場します。
また世の中にコトラーは説きます。
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「マーケティングはよくセールスと混同される。しかしマーケティングと
セールスはむしろ正反対のものだ。
セールスは製品が完成してからスタートする。しかしマーケティングは
製品が存在する前からスタートする。
人々が求めているものは何か?
自社は何を提供すべきか?
その答えを探るのがマーケティングなのだ」
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名文ですね。今読んでもジーンときます。力強くクールです。
ですがこのセールスよりもマーケティングが上位ともとれる内容に
ちょっと僕はどうかなぁと反応してしまうのです。
顧客の声を聞き、商品を開発し市場に投入すれば労せず売れるのか?
これは幻想だと思うのです。
もし実現可能であれば、多くの大企業が多額の費用を投入し開発した
商品が売れないはずはありません。(もちろん間違ったマーケティングを
している可能性は高いですが)
セールスはセールスで大切なのです。
顧客を巻き込んだモノ作りとセールスの連動でいいんじゃないのかと僕は
思うのですが、コトラーに戻りましょう。
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つまりマーケティングは短期的な販売活動でなく、長期的な投資活動だ。
製品を製造したり、市場に投入したりする前から始められ、販売活動が
終わった後も続いていく活動なのだ。
マーケティングをとことこん突き詰め、顧客を知り尽くせばセールスは
不要になる。マーケティング(Marketing)とは、的(Mark)に命中させる
能力のことをさすのだ。
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セールスは不要になるのだそうだ。
では告知程度のプロモーションで売れるのだろうか?
資本力のある大手はそれでもいい。
しかし脆弱な零細企業はどうすればいいのだろうか。
コトラーもマーケティングも嫌いではないが、学問と実業の溝を感じるの
は僕だけではないだろう。世の中は複雑だからこそ理論はシンプルにあるで
あり、新しいアイデアに気づく基点となるモノであるべきだ。
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そう言えばずいぶん前から気になっていたことがある。それは多くの大学
では実業や実務から程遠い講義が繰り返されていることだ。
本気でアントレプレナーシップを学びに来ている学生に、間接的で複雑な
学術理論を教えるセンスが僕には理解できない。
そう考えていたのだが、実は学生の方も創業する気などさらさらない人が
多いそうだ。ようは修士や博士という肩書きが欲しいのだそうだ。
目的は大学で講義をすることだとも言う。なんと本末転倒していることか。
実務を体験してない学者が、偉そうに肩書きだけで何を教えるのか?
簡単に言えばテニスを出来ない人間がテニスを教える事はできない。
まさに無能の再生産だ。
もちろんそういう学生ばかりではないと思う。一割でもいい起業する
若い人材がいて欲しいと願うばかりだ。
僕達は学者でも評論家でもなく実務家なのだ。
マーケティングを学び実際に使う気のない人間に教えるなんてこれほど
意味のないことはない。
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youtubeでPhilip Kotlerと検索すると動くコトラー博士を見ることができ
ます。もちろん英語です。