805-エブリシング

 

ブックオフの100円コーナーで、大橋巨泉の「巨泉・人生の選択」を発見
した。今から9年前の2000年4月に出版され話題になった本で僕も読んだ。

 

 当時30歳、僕の感想は「そんなもんか」であった。
 内容は「早期リタイヤのススメ」で、この本がきっかけに早期リタイヤ
またはセミリタイヤという言葉と概念が日本に広まったと思っている。
 

 


 しかし当時はピンとこなかった。

 それで読み直して見たのだが、驚いた。僕が成長したのか歳を重ねたから
なのか、全く感想が違うのである。

 本の内容は同じであるから、当時の僕では著者である巨泉さんの考えを
受け取ることができなかったことになる。これは素直に反省だ。

 彼がセミリタイヤしたのは56歳の時。
 僕も来年40歳なのであと16年とちょっとだ。
 もし50歳でリタイヤとするなら10年とちょっとだ。

 人生の後半戦をどう生きるのか?
 少しは考えてみたらどうだい?

 これぞこの本のメッセージである。

 大きく人生をサイドチェンジする知恵と勇気そして少しの蓄えがあるかだ
と思うが、この本の内容は素晴らしいガイドになる。

 なにせリタイヤ生活10年の節目に重い腰を上げて記された本なのだ。

 ただ翌年2001年に民主党の菅幹事長(当時)が出馬を依頼し参議院選挙の
比例候補として立候補し党内第1位で当選をするも6ヶ月で辞職する。
いろんな想いがあったと思う。辞職会見で「日本の民主党がこれほどまでに
反民主的な集団とは思わなかった」と述べた。真相はよくわからない。
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 僕の友人の堀内浩二さんが新刊を出されました。

 その名も「クリエイティブ・チョイス:創造的な選択」内容は心理学・
経営学・経済学など幅広い分野に蓄積されている知見を整理しまとめられて
います。下記のリンクから読者の感想があります。
◆ 感想 『必ず最善の答えが見つかる クリエイティブ・チョイス』
http://www.creativechoice.info/feedback/overall

 堀内さんからプレゼントで5冊頂いてます。
 http://sn.im/ccokzk
 こちらから登録ください!
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 本の内容に戻ろう。

 第8章の最後にこんな言葉がある。
「You can't have everything」
 著者の言葉では「今回の人生ではやめておこう」である。

 人間の欲は無限であるから、あれもしたい、これも欲しいとなる気持ちは
わかる。でも時間は有限である。

 つまり人生の質を豊かにするためには、あれもこれもと欲張らずに
 選択し集中することが大事なのだと思う。

 またロイド・シェアラーの書いた「幸せな人生へのガイド」から抜粋し
 後半生への9戒が紹介されている。

 1)誰もこの世を生きて通り抜けることはできない。
   だから正しい価値観を持とう。

 2)体を大事にしよう。健康なくして幸福は不可能だ。

 3)いつも明るく、人の役に立つ人間であれ。情けは人のためにならず。

 4)怒りっぽい人やモメ事の好きな人を裂けよ。
   そういう人間は執念深く、復讐心が強いものだ。

 5)熱狂的信者も避けよ。彼らはユーモアを解さない。

 6)自分でしゃべるより、人の話をよく聞くようにしよう。
   自分で話して何かを得ることはない。

 7)助言を与えることにも用心深くしよう。
   賢者は必要としていないし 愚者は心に留めないからだ。

 8)若い人に優しく、年寄りや困っている人に同情的で弱者や道を誤った人
   には寛容であれ。人生のどこかで自分もその1人だったか、
   またそうなるかも知れないのだから

 9)成功と金を同等に考えてはいけない。
   世の中には大金を設けながら、人間としては惨めな失敗に終わった人が
   大勢いる。「成功」で最も重要なことは、人が如何にそれを成し遂げた
   のかということである。

 思わず唸る内容であるが、続けて岸信介首相の信条を紹介している。
 「転ぶな・風邪ひくな・義理を欠け」である。

 最後の「義理を欠け」とは中々おもしろい。
 
 無理をして雨の日にゴルフにつきあった。
 寒いのに花見につきあって飲みすぎた。
 雪の日にお葬式で長い間立っていた。

 義理を断れずに無理をして病気をするくらいなら、勇気をもって欠けと
 いうことだそうだ。ただし「自分も義理を欠かれる」ことを承知しなけれ
 ばいけないと結ばれている。なるほどと唸った。

 前半の「健康」「パートナー」「趣味」「財政計画」と具体論も
 大変興味深いものだ。ぜひ一読をお奨めする。

 

  2009年06月03日   岡崎 太郎