829-ソーシャルメディア

「twitter」や「FACEBOOK」そして「USTREAM」と続々新しいソーシャル
メディアが登場している。
 これら新しいソーシャルメディアを理解するには、自分で使ってみること
が肝心である。もちろん情報を発信する側に立つことだ。

 

 たとえば「twitter」が既存のブログや「mixi」と何が違うのか?
 もしくは何がどう楽しいのか?

 友達やニュースなどから「140文字の制限がね」なんて聞かされても、
頭ではわかっても、実際にどう楽しいのかを理解することはできない。

 正しく理解するには自分が参加してみることしかない。
 参加せずに理解することなど絶対に不可能なのだ。
 だから判断する前に行動するしかない。

 ただメルマガでもmixiでも同じだったように「twitter」でも、
ある程度の規模(フォロワー)に育てなければ情報伝達のダイナミズムを感じ
にくい。(まずは1000人のフォロワーを獲得してみることをお奨めする)

 「USTREAM」もまた情報発信側、つまり放送する側で参加しないと正しく
理解できないメディアだ。

 どの部分がどう凄いのか。
 商売になるならないを論じる前に、この革新的なインパクトを理解する
ことからはじめてみよう。

 正直僕自身も「USTREAM」の話を聞いても、いったい「youtube」と何が
違うのかさえ正しく理解できなかった。(やってみなければ無理なのだ)
「USTREAM」は生放送なんだよと聞いて、ジャパネットたかたが出来るなぁ
と思った程度であった。

 録画された作品と生放送で決定的に違うのは、リアルな瞬間という「場」
を視聴者と発信者がシェアできることだ。テレビの何倍も双方向に絡みなが
ら多くの人と協調協働して番組を楽しむことができる。
(言葉は本当に無力だ。少しでも感じてくれたら行動して欲しい)

 この橋渡しをするのが「twitter」なわけだが、実際放送をしてみると
放送を見ている視聴者が、どんどん「つぶやき」をタイムラインにあげてく
る。ここで「twitter」の伝播力が効果を発揮する。生放送だからこその熱
量もあるだろう。「今おもしろい放送やってるよ!」というノリの書き込み
がリツィートでどんどん増殖していく。草の根的ではあるがマルチネット
ワーク、いや高速のネズミ算で「USTREAM」上の放送に人が集まってくる。

「twitter」と「USTREAM」はとても相性がいい。

 口コミが広がっていく感じがリアルタイムにわかる。
 これはきっと過去のどのメディアにもなかったことだ。

 ラジオの深夜番組で視聴者と繋がってるあの感じがネットによって
丸見えといえば少し理解していただけるだろうか?

 とにかく視聴者と繋がっている実感がある。
 視聴者の声がハガキからFAXそしてメールに移り「twitter」になった
だけのことだが、視聴者の書き込みが一緒に放送されるということの
インパクトは文章では伝わらない。視聴者の書き込みに別の書き込みが
アップされ層が形成されていく。再レスポンスも早い。
(3時間で269件のつぶやきがアップされた)

 一切編集してない(できない)ことも鍵かも知れない。
 公衆放送ではないので放送コードも規制も原則ない。
 結果垂れ流しなのだ。でも生放送ならではの勢いがある。

 先日の放送で、「世界に配信してるけど、きっと日本人しか見てないん
だろうね」という投げかけに、たまたま「twitter」で放送を見ていた
アメリカのコネチカットに住んでいる知人のジェームスという29歳の外人が
「外人も見てるよ」とtwitterに書き込んできた。

 すぐにパソコンを準備しスカイプでコネチカットの彼を結んだ。

 パソコンの画面にヘッドセットをつけたジェームスが表示される。
今度はそのパソコン画面をビデオカメラで撮影し「USTREAM」上に流した。

 ジェームスの流暢な日本語が深夜のバースタジオに響いた。
 世界を急に近く感じた。

 近所で放送を見ていた人がバースタジオに足を運んでくれた。
 たまたまバーに遊びに来た人が放送に参加した。

 ネットに詳しくもない人も僕らと同じように興奮していた。
 1994年にインターネットに出会って久しぶりに技術の進歩に興奮した。

 機材やソフトにかけたコストはほんの十数万円。
(最低パソコン1台カメラ1台)

 今回の放送はパソコン4台に専用ソフト「USTREAMプロデューサーpro」
カメラ5台。DJ用の機材(Vestax spin itunes dj controller)にマイク。

そしてtwitterの書き込み用スタッフ2名に、映像のディレクターが1人と
アシスタント1名の計4名。パーソナリティは僕とペンシルの覚田社長だ。

 それにしても、ここまでの放送ができるとは驚きと表現するのも安易と
思うほどだ。先週の水曜日に思いつき翌日の木曜日にはテスト放送。
そして本番が日曜日だった。3時間の放送で約800名の人が見に来た。
これは凄いことだ。

  2010年04月21日   岡崎 太郎