831-金がないなら知恵をしぼれ

 

新刊発売になりました。


「金がないなら知恵をしぼれ!ビジネス着想100本ノック 」
僕の14冊目の新刊がいよいよ発売になりました。

 

そこで、新刊の中からぜひとも読んでいただきたい話を抜粋したいと
思います。ぜひ気に入ったらご購入くださいね!

 それではぜひお楽しみください。

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  http://www.amazon.co.jp/dp/4340110051/

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プロローグ

 アイデア本を書こうという構想は、かれこれ4年前からあった。
 当初ある出版社に、三種類のアイデア本の企画を提案し二冊分の最終原稿
を用意した。ところが残念なことに出版され日の目を見ることはなかった。

 ボツになった一番の理由は、アイデア本としてはすでに良書が多くある事
次に読者が読みすすめていくうちに話の予想がついてしまいホント面白く
ないのだ。(もちろん僕なりの新しい方法を紹介はしているのだが、投入
した時間と労力に比べ、輝きの少ない本になっていたわけ)

 それから三年が経過した去年の年末、新しい出版社とあらためてアイデア
本の企画が持ち上がった。そこで過去ボツになった二冊分をバラバラに分解
して再構成することで、新しく本を作ろうということになった。しかし二度
あることは三度あるの格言よろしく、またしても原稿は滞り迷路の中で
立ち止ってしまった。

 本書の目的は多くの人の発想力を高めること。

 しかし三度目のトライであるにも関わらず解決すべきコンセプトは
なかなか見えなかった。

 よくよく考えればわかることであるが、発想法を学べば、誰もが
エクセレントなアイデアを発想できるわけではない。

 これは残念だけど事実だ。方法論と実践は大切だけど、何かもっと決定的
な別の要素があるのだ考えた。僕と編集者、そして多くの仲間は、その決定
的な要素と、読者へどんなアプローチが有効なのかと、長い時間を掛け方向
性を探した。

 そして遂に、この本のコンセプトとなった「ビジネスアイデア100本
ノックだ」を思いついた。

 そのきっかけは、僕がまだ駆け出しの頃、毎晩のように飲み屋で先輩企画
マンから聞かされた「どうしてこの企画を思いついたのかと言うとだ」の
語りだしからはじまる彼の脳中でおきたインスピレーションの解説に、
知的好奇心を刺激され興奮したことを思い出したからだ。

 つまり理論や理屈は一旦横に置いて、まずはプロのマーケッターがどんな
ことを考え発想しているのかを本を通して、あるボリュームで擬似体験して
もらおうと考えたのだ。

 くるくる変化する頭の中のことなので、あまりきっちり整理せずに自然な
感じを残して編集している。僕の発想を読みながらあなたの中に眠っている
発想力を存分に引き出してみて欲しい。
 
 さて僕は誰もが、アイデアを思いつくことは可能だと考えている。
 発想力・想像力はすべての人間に公平に与えられた能力だと思っている
からだ。

 ただし、その能力を使い込んでいるか、自信をもって自分のアイデアを
発表できるか、ただそれだけの違いなのだと思う。

 僕の好きな言葉に「金が無いなら知恵を絞れ」というのがある。

 金がないなら無いなりにアイデアで勝負しろと僕は理解している。
 金をかければ誰でもできる成金的なアイデアには興味はない。

 優れたアイデアとは壁を超えたモノだ。
 それは常識の壁だったり
 社会の評価や評判だったり
 儲からないという経済原理の壁だったり
 過去のルールや業界慣習という
 さまざまな壁である。
 
 人間は誰しも、自分が正しいと思っている。まずはこの事実を知り、
普段なにげに使っている判断基準や思い込みの色メガネをはずしニュート
ラルにまたは普段の真逆に発想してみることが求められる。

 また優れたアイデアマンは、明るく肯定的な考え方でいんることが望ま
しい。そうでなければアイデアを閃いた側から「できない」と否定しまい、
せっかくのアイデアが花開くことはないからだ。

 最近本屋には、論理的思考法の本が花盛りだが、生まれたてのアイデアと
はもっと粗野で無垢でもっと自由でいいものだと思う。左脳的バイパスを
通過してアウトプットされたアイデアばかりでは楽しくない。

 閉塞感の強まるこの現代、効率ばかりを求め、本筋を見失うことなく、
もっとエンターテイメントなアイデアを求めようではないか。

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「金がないなら知恵をしぼれ!ビジネス着想100本ノック」
http://www.amazon.co.jp/dp/4340110051/

 
  2010年05月20日   岡崎 太郎